お気に入りの池に久しぶりに出かけた。
いつもの駐車場に車を止め、いつものように少し歩いて、さあ、池に到着だ…。
あれ? 柵があって入れない。木々の隙間から覗いてびっくり!
池が… いつもの池がない!
いつもなら、木々の向こうに水面が見えるはずなのに、水がない!
カラカラに乾いた地面に重機が入っている。
えっ!えっ? まさか池を無くしてしまうのか! ひょっとして公園にでも…。
いや待て、ここはため池だから絶対に必要なはずだ。無くすとは考えにくい。
でも、すぐ隣にもため池がある…、あっちはもっと大きいし…。
工事内容を書いた看板が無かったために、頭の中をいろいろな思いがよぎった。
いつもなら木々の隙間から見下ろすと、こんな風に水面が見えたのだが…
剥き出しの地面に呆然。堰もすでに取り壊されていた。
自宅に戻ると、さっそくネットで調べ始めた。
五泉市や新潟県の工事計画をいろいろ探していくうちに、これかな、というものを見つけた。
「蛭野地区における弁天山堤のため池等 整備事業の県営土地改良事業」。
農業基盤整備のための工事で、期間は約9ヶ月とある。
もしこの工事ならば、田んぼに水が必要となる春までには元どおりになるはず。
ひとまず、池を無くすということではないようで、胸をなで下ろした。
ここは五泉市にあるため池。
地域の農業のために造られた池のことを、
たまに散歩に来ているだけのよそ者が心配するなんて、まったく余計なお世話だと自分でも思う。
でも、ここはいつ来ても時間がゆっくり流れていて、心が静かになった。
それだけ好きな場所ということでお許しを。
工事中とはいえ、今は無いんだ… と思うと、記憶の中にある風景が浮かんでくる。
そこで、ありし日の姿を偲んで写真を並べてみた。(亡くなってません)
風のない日は水面が鏡のように木々を映す。
ため池なので、時期によってかなり水位が変わる。少ない時は水際のラインが面白い。
池を挟んで、一方は杉などの針葉樹、反対側は広葉樹の林になっている。
秋になれば紅葉樹の山は色づいて、また違った表情に。
周囲の林はそのままだろうが、
池のほとりの道沿いにあった草や木は姿を変えてしまうのだろうか。
堰の上に造られたこの道はもう無くなっていた。今度はどんな道になるのだろう。
この看板も役目を終えた。と言っても、かなり前からこんな風だったけど…
五泉市蛭野 弁天池
無事に工事が終わったら、また池のほとりをゆっくりと歩きたい。