散歩していると、ふと何かに見られているような気がすることがある。
ここもそんな場所のひとつ。
弥彦村の祓戸神社(はらえどじんじゃ)。
お隣の彌彦神社は参拝客で賑わうが、この小さな神社を訪れる人はあまりいない。
敷地は奥に細長く、欅の巨木の脇を進んでいくと小さな鳥居と社とがあるだけ。
すぐ前の道路を車が行き交っているのだが、
足を一歩踏み入れただけで空気が変わったように感じる。
ファインダーを覗いている自分の方が、何かにじーっと見られている感覚。
それが奥の社からなのか、高い木の上からなのか、枝の隙間からなのか、
それともこの場所全体なのかわからない。
怖いというのとは違う、何かの気配みたいなものだ。
この神社は彌彦神社の末社の一つで、祀られているのは四人の神様。
この地にやってくる不浄なる物の怪や、
訪ねてくる人々の罪、けがれ、とが、過ちを祓い取り除くという。
感じる気配は、私が害を及ぼす者かどうか品定めされているのか。
それとも何かの力で清めようとしているのか。
ひょっとして、私自身も忘れてしまったような罪や過ちも
ここのカミサマにはすべてお見通しなのかもしれない。
弥彦村 祓戸神社