黒姫童話館から森の中へ入っていくと、御鹿池(おじかいけ)という静かな池がある。
池をぐるっと周って帰ってきても1.2kmほど。ほぼ平坦で気軽に森林浴を楽しめるコースだ。
遊歩道入口にある標柱。ここから御鹿池までは400m。
今年は熊のニュースが多いので、熊鈴を鳴らしながら用心して進んでいく。
と、不意にガサガサと繁みの脇道から、、、ご高齢の男性が現れた。
よくわからないが、片手に絵を持ち、ものすごく嬉しそうにしている。
話を聞くと、童話館のまわりで絵を描いていた人達のメンバーなのだが、
近くに池があることを知って、一人で御鹿池へ絵を描きに来たそうだ。
満面の笑みを浮かべながら、描き上げた水彩画を見せてくれるのだが、
……ううっ……何が描いてあるのかよくわからない……
でもあんまり嬉しそうにしているものだから、
きっと本人にとっては会心の出来なのだ、と思い直して
「御鹿池ですね!」と、こちらも会心の笑顔でお答えした。
この人にとって、池のほとりでこの絵を描いていた時間が、とても素敵なものだったのだろう。
「昼飯だから戻るんだ」と男性は画材道具と絵を持って、嬉しそうに童話館の方へ歩いて行った。
ここまで熊を警戒してそろりそろりと歩いていたのだが、
池のほとりでおじいちゃんは一人で絵を描いていたんだと思うとなんだか勇気が湧いてくる。
この熊も笑っているし、さあ、御鹿池までもうすぐだ。
森を抜けて御鹿池に到着。ここからも黒姫山がよく見える。
鳥のさえずり、風で木々が揺れる音。とても静かな池だ。
それほど広い池ではないが、ベンチや東屋もあり、遊歩道でぐるっと一周できる。
木々も色づき始めていた。
池のほとりは御鹿池一周コースという初級者向けセラピーコース。歩きやすい道。
ところどころにベンチもある。あまりきれいではないので、直に座りにくいが。
さて、ここから池の向こう側へ。
おっと、写真が多くなってしまった。 後半へ続きます。