NIIGATAさんぽびと

カメラを持って出かけよう

気分は印象派  五月池 ②

 

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かすかに揺れる水面が絵画のよう。
揺れ動く細かな凹凸の一つ一つが筆のタッチに見えてくる。

 

五月池は風の影響をあまり受けないので映り込みが美しい。
白池のように遠くまで抜けるような眺望はないので、なおさら水面に目が行く。
綺麗な映り込みを探しながら歩くのは楽しい。

 

風と言えないくらいの僅かな空気のそよぎが、水面を細かく揺らしている。
そこに映るものの輪郭が滲んで、まるで絵画のように見えた。

 

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昔から多くの画家が、自然の美しさを表現しようと、自身の感覚と持てる技術を駆使して、
数週間、数ヶ月かけて描きあげるのと似たような行為を、
ちょっと立ち止まって、ピピッ、カシャ!で、残すことができるカメラ。
なんと便利な道具なんだろう。 もっとも、
私が散歩中にちょこちょこっと撮った写真と画家の渾身の作品を一緒にできるはずもないが…

 

学校では美術の時間が一番好きだったが、
じっくりと絵と向き合う物理的、精神的余裕を持ちあわせていない今の私にとっては、
なんだか芸術家になったような気持ちにさせる魔法の画材道具。

 

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印象派を代表するフランスの画家、クロード・モネ
モネは屋外での制作を好み、物そのものの色ではなく、
日光やその反射を受けて目に映る「印象」をキャンバスに描く、印象派と呼ばれる画風を作った。
それまでの伝統的な主題、構図、デッサン、陰影法などに縛られない、自由な作品。

 

そういう意味では、先日、黒姫高原で絵を見せてくれた年配の男性は、モネと同じ目を持っているのかもしれない!?
モネだって、そういう作品を初めて世に出した時、社会の評価は惨憺たるものだったというし…
(これはご両人に失礼でした。すみません…)

 

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もしも、モネが現代のカメラを手にしたら、どんな写真を撮るだろうか。見てみたい。
案外、現実をそのまま映すなんてつまらない、描く方がいいと言って、
やっぱり絵筆を持ってキャンバスに向かうのだろうか。

 

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山奥の小さな池で撮った写真を見ながら、そんなとりとめのないことを想う「芸術の秋」でした。