平野部にも紅葉が下りてきて、近くの山や公園で紅葉が楽しめる時期になった。
でも紅葉の名所と言われるところは人も多い。
静かに歩きたい気分だったので、そうだ、国上 行こう。
国上山(くがみやま)は弥彦山のお隣、標高313mの低山。
中腹まで車で行けて、国上寺(こくじょうじ)や良寛さんゆかりの五合庵、眺めのいい千眼堂吊り橋など、
いろいろな場所を手軽にぐるっと歩けるのがいいところ。
紅葉で有名な弥彦公園などに比べれば、比較的人も少ないのでゆっくりと散策できる。
国上山の中腹にある国上寺は、駐車場から歩いてすぐの県内最古のお寺。
歴史を感じさせる本堂とモミジの取り合わせは「日本の秋」という感じ。紅葉も見頃で美しい。
境内には国上山にゆかりの深い良寛さんの像も。
有名な紅葉名所に比べたら、モミジの本数は多くない。 感じ方や好みは人それぞれ。
「えー、これだけ?」と話している若いカップルもいれば、
「本当にいいところに連れてきてもらった…」と嬉しそうに眺めている年配のご婦人もいる。
「いいなあ〜きれいだな〜」と嬉しそうに写真を撮っているのは私です。(どこへ行ってもそう)
本堂には、昨年ちょっと物議を醸した新しい絵巻が飾られている。
設置当初はとても派手に見えて「えっ」と思ったが、
久しぶりに見てみると微妙に色がくすんで、少しずつ建物に馴染んできた気がする。
本堂の裏にある国上山登山口から山頂までは30分程度。そこに新しい看板が…
とうとうここにも出るようになったのか! 境内でリスは見たことがあるが、これには会いたくない…
むか〜しむかし、弘法大師・空海という偉〜いお坊様がおったそうじゃ。
唐(中国)から帰国する際に、仏具の「三鈷(さんこ)」と「五鈷(ごこ)」を天に投げると、
「三鈷」は和歌山の高野山に、「五鈷」はここ国上寺の松の木に引っかかったんだそうな…
それがこの「五鈷掛(ごこかけ)の松」。
確かに高野山には同じ言い伝えの「三鈷の松」があって、あちらはまだ青々として元気。
こういう話はもうファンタジーの世界なので、中国から投げたものが日本に届くかと真面目に考えるのはよしましょう。
私はいつもこの木を見るたびに、頭をもたげた龍に見える。
観音像の周りを時計回りで3回巡ると幸せが授かるという幸せ観音。
国上寺の紅葉を楽しんだ後は、五合庵へ続く道を進んでいく。
寺の裏木戸を出ると柿の木が。秋だなぁ。
その先へ続く。