ラッセル車「キ116号」と二人三脚で冬の線路を守っていた大切な相棒。
それが、今も並んで保存されている、かぼちゃ色のこの車両…
前回の続きです。
キ116号の背中を押していたのは電動貨車「モワ51号」。
ちょっとレトロなデザイン。かぼちゃ色の車体がかわいい、キ116号よりひとつ年下の車両。
11mしかない車体は平均的な電車より短めだが、これでなかなかの力持ち。
かつては、自らも荷物を積みながら、米や果物などを満載した貨車を牽引し、
この路線の貨物輸送を支えていた。
本来、貨物を引っ張るには、より力のある電気機関車が適しているのだが、
それが無かったため、モワ51号が自ら荷物を積みながらも、その役目を果たしていた。
そして、貨物の仕事がなくなった後も、キ116を動力車として支えた働き者。
新潟交通電車線の車両は、黄色と緑色のツートンカラー。
「かぼちゃ電車」の愛称で親しまれていた。
内装は木製で落ち着いた雰囲気。レトロな照明もいい感じ。
木の窓枠は温かみを感じる。
荷物室には、看板や標識など、いろいろな資料が置かれている。
木造の古い駅舎にかぼちゃ色がよく映えて。
冬場の人々の生活を守るため、キ116号の背中を押し続けたモワ51号。
力を合わせて進んでいくのは、なんだか人も電車も同じですね…
1999年4月、廃線の日。
キ116号はモワ51号に押されて、ここ月潟駅まで回送された。
いつも新潟市から燕方面へ向かって除雪運転していた2台は、
今も燕側を向いて繋がれている。
冬の間、車両は雪囲いされているため見学できない。写真は以前撮ったもの。
この駅と車両を保存するために、様々な作業をしてくださっている
「かぼちゃ電車保存会」の方々に感謝、感謝です。
春になったら、また寄らせていただきます。