誰もいないひっそりとした古い校舎。
忘れ物を取りに、ひとりで日曜日の学校に来たような気分になる。
たくさんの子供たちや先生が上り下りしていた階段。
使い込まれた木は美しい。
手すりもつるつる。 またがって滑り降りて先生に叱られた子もいたかもしれない、たぶん。
階段の真ん中にある白い丸は「こちら側を歩きましょう」という目印なのだろう。
窓から差し込む光に顔を照らされて、子供が駆け上がっていく姿が見えてくるようだ。
50年くらい前に廃校になった旧弥彦麓小学校の校舎を利用して、
1階は体験学習型の民俗資料展示室、
2階は地域のコミュニティスペースとして開放されている。
校舎はそれほど大きくはないが、時々懐かしい感じに浸りたくなって訪れる、お気に入りの場所。
お約束の二宮金次郎像。今日も勉強しています。
最近は歩きスマホが危険だという理由から、腰を下ろして本を読んでいる姿の像ができ始めているらしい。
それだと、金次郎くんが仕事をサボって本を読んでいるみたいだ。 なんだかなぁ…
ここに常駐している人はいない。
この玄関の戸が開けば入れるし、鍵がかかっていれば休館日。(こっちがちゃんと調べて行ってないだけ)
毎朝「おはよう〜」と言いながら、みんなここに入ってきたのだろう。
今は1階の床だけ、新しく張り替えられている。
廊下にある下駄箱にはスリッパに混じって、ワラジが。
玄関に置かれている木製のリヤカー。学校の備品だったのだろうか。風格があります。
ついたてのガラスに飾られた昔の写真。
今まで何度も訪れているのだが、ここで人と会ったことがない。
勝手に入って来たけど良かったのかな… ホントは休館日なのでは…
心配になるくらい、いつ来ても静かで、校舎の中に一人きりという不思議な感覚を味わえる。
いいところなのに。 ちょっと歯痒く、ちょっとうれしい…
2階の窓からは弥彦山。季節によって変わっていく姿を子供たちは見ていたのでしょう。
うーん。好きな場所なので、つい長くなってしまった。(まだ階段と廊下だけ…)
教室の中には学びの風景も残されている。
昔にタイムスリップしたような素敵な空間だ。
それはまた、次回に…