桜は散ったあとまで美しい。
見頃を過ぎた公園で目にした光景は、池に敷かれた花の絨毯。
桜と椿の花模様。
以前、村松公園を訪れた時の写真。
その日は、桜はもう見頃を過ぎていて、歩いている間もどんどん散っていた。
園内は花見客もほとんど無く、「宴のあと」といった静けさ。
風が吹くたびに花吹雪が舞って…
本当は、もう少し花が残っているのを期待して出かけたので、ちょっとがっかり。
でもこればかりはしょうがない。
まあ、たまにはこういうのもオツなもの… などと思いながら歩いていた。
でも池まで歩いてくると、綺麗な光景が…
水の上に綺麗な花模様が広がっていた。これがまあなんとも美しい。
欲を言えば、椿がもっときれいな状態だったらな…と思ったが、
これは巡り合わせなので仕方がない。
むしろこれが散り落ちた花のリアルな姿なのだろう。
池の石段も花化粧。
咲き終わった水芭蕉の池にも。
奥の方へ歩いていくと…
広い池が、見事な「花筏(はないかだ)」に。
でもここは川のように流れないので「筏」というより「桜の絨毯」だろうか。
隙間が見えないほど、桜の花びらが池を覆っている。
こんな景色が見れるとは思っていなかったので、とても得した気分。
散る桜 残る桜も 散る桜
これは、歌人でもあった良寛さんの辞世の句と言われているもの。
今、美しく咲いている桜も、散った桜と同じように必ず散っていく…
儚く美しい名句です。
花見客はほとんどいないのに、提灯は明るく揺れていた。
来た時は、散っている様子に「ありゃ〜」となったが、
帰る頃には「いい日に来たなあ」なんて思えた散歩だった。
桜は散っても桜、やっぱり美しかった。