旧北国街道の細い道を進み、滝に寄り道。
「滝」という響きに期待して行くと拍子抜けするほど小さいが、ちょっと趣がある滝。
八幡神社を後にして、次に寄ったのは「ごりんの滝」という、知る人も少ない小さな滝。
脇には分譲地があって、案内板がなければこんな所に滝があるなんて誰も思わないだろう。
変わった名前の滝だが、すぐ近くに「ごりん石」という石があって、
なんでも松尾芭蕉の一行が旅の途中に腰掛けて休んだ石らしく、芭蕉の句が刻まれている。
なぜ「ごりん」という名前になったのかは解らないが、
その石の近くにあるので、滝の名前も「ごりんの滝」。
水の音に誘われるように、急な斜面をそろりそろりと下りていくと、
あっという間に滝に到着。
落差は大目に見ても7mほど。 う〜ん、小さい。
でも小さいくせに、黒い岩肌を流れ落ちる様子や、浅いけれど滝壺もあるし、
そこから流れていく沢の雰囲気も、とても「滝っぽい」のだ。(滝です…)
どこかの大きな滝をそのまま縮小したジオラマの世界に入り込んだような感覚。
この日は水量がちょっと少なめだった。
滝壺には椿の花が。
この滝のおもしろいところは、水の落ち口だろうか。
滝の上に絶妙なバランスで2つの大きな岩がもたれ合うように乗っていて、
その隙間から水が流れ落ちている。
滝を背にして、流れに沿って歩いていく。
ほんの数十メートルしかない道だが、箱庭のようでちょっとお気に入り。
少し紫がかったキクザキイチゲがきれいだった。
木漏れ日に照らされた緑が美しい。
緑の葉っぱにかわいい小さな花。
可憐なスミレも。
流れは少ないが、きれいな水。光が射してキラキラ。
道路のすぐ脇とは思えない、山の中にいるような雰囲気を楽しみながら。(言いすぎたかな)
小さな滝を貸切状態、静かな時間を楽しんだ。
この日はあちこちで桜は満開。天気もいい。どこも花見客で賑わっているはず。
そんないい日に、なんでここを歩いているんだろう? と自分でもおかしくなったが、
心のどこかで、少し贅沢なことをしているような満足感もあった…
旧街道、もう少し先へ…