自然の中で聴く水の音は心地いい。
きれいな水が恋しくなって、お気に入りの清流へ。
五泉市の仙見川へ。
早出川の支流で、豊かな自然の中を澄んだ水が流れている。
ここは、仙見川に流れ込んでいる小さな沢。
豊かな山の水を集めてくるので、小さいけれどいつも水量は豊富だ。
ザー…
砂防ダムから流れ落ちる水の音が、森に響き渡る。
聴こえるのは、水の音と鳥のさえずりだけ。
人は本能的に、自然音、特に水の音や鳥のさえずりを聴くとリラックスできるらしい。
ここにはその両方が揃っている。
リラックス効果を生むものに「1/f ゆらぎ」がある。
難しいことはよくわからないが、簡単に言うと「予測できそうでできない不確かさ」らしい。
「規則的」なものと「不規則」なものが合わさった状態を人は心地いいと感じるという。
なるほど、水のせせらぎって確かにそうだ。
この「ゆらぎ」は、音だけに限ったことではなくて、
扇風機の緩急のついた風を心地よく感じたり、電車に揺られていると眠くなったりするのも、
この「不規則性」があるかららしい。
散歩だって、いつも同じ場所を同じ道順で歩いていても面白くないしね。(ちょっと違うか!?)
心地よい不規則さ…
人工の砂防ダムから音を立てて流れ落ちてくる。 これが自然の滝だったらなあ。
でもこの感じは、どことなく「あの滝」っぽい??
思い出したのは…
大好きな達沢不動滝(福島県猪苗代町)。
うーん…… 並べてみると… すいません、気のせいでした… やっぱり自然の造形美には程遠い。
でも、ここはここで悪くない。好きな滝を連想するのは気持ちいい証拠。
水の音に包まれて心地いい時間。でも、こういう場所にいるといつも心配なことがある。
それは、まわりの物音がまったく聞こえないこと…
何年か前、南魚沼の小さな山で、カモシカの親子と出くわした。
かなり近かったので驚いたが、向こうはもっと驚いたらしく、茂みの中へ一目散に逃げて行った。
こういうおとなしい動物ばかりならいいのだが、
きれいな水を求めて自然の中に入っていくと、たいがいそこは「熊さんゾーン」…
この仙見川周辺も例外ではない。
できれば会いたくないという思いは向こうも一緒。熊だって人の気配を探っているはず。
しかし、こういう場所では水の音が邪魔をして、とてもわかりづらい。
不幸にも至近距離でのご対面となったら、どう考えてもこっちが分が悪い。
この時は、「ここにいるよ〜」と、時々ホイッスルで合図をしながら写真を撮っていた。
いくら気持ちいい場所でも、怖いものは怖い。用心用心。
仙見川との合流地点。豊かな水が音を立てて流れ込んでいる。
ここからは仙見川沿いの道へ。
その先へ続く…