黒い岩の上を白い飛沫を纏って落ちる水。
山深い場所にある古くから信仰の対象とされてきた滝へ。
長岡市の山あい、高龍神社からさらに奥へ進んでいくと、
竹之高地の「不動滝」が見えてくる。
落差50m、飛沫を纏って流れ落ちる3層の滝は美しく迫力がある。
昔、弘法大師が全国行脚の際に訪れ、この滝の荘厳さに心を打たれたと言われている。
毎年「滝開き」が開催され、滝壺で「滝行」も行われる。
滑り落ちないよう気をつけながら、滝の一番下へ。
きれいな山の水。
水は変幻自在。どんな形にも、どんな表情にもなれる。
大きな音を立てている滝壺の一方で、足元の落ち葉はとても穏やか。
静と動、どちらも同じ水辺の表情。
この滝の上には、古くからこの地で信仰を集めるお不動様がある。
お参りしていこう。
不動滝の上の広く平らな場所に建つ、「竹之高地不動社」の社殿。
鉄筋コンクリート造りでとても頑丈そう。
2004年の新潟県中越地震は、この辺りにも甚大な被害をもたらした。
当時、別の場所に建っていた旧不動社も大きな被害を受けたため、ここに場所を移して頑丈な社殿を造ったらしい。
本尊は不動明王。
人々のあらゆる苦難を打ち払い、心身の病を癒し、真実を見究める眼力を授けるといわれ、
この地で古くから信仰を集めてきた。
また、昔、三条の名高い刀鍛冶が火花で片目をやられたが、
この地へ来て祈ると治ったという言い伝えがあり、眼の病にも良いとされている。
御神木の一本杉。堂々とそびえる立派な杉だ。
花が飾られて、趣のある手水舎。
きれいな水が出ている場所って、なんだか良い空気が漂っている。
この手水舎、面白いことに、水の出口が2つあって、水盤も不動明王像も二組並んでいる。
見れば、片方は新しく、もう一方は古い。
説明板を読んでみると、どちらも御神水だが左右で違う水らしい。
で、こちらが右側の「新殿の水」。
冷たくておいしいが保存には向かないらしい。
不動明王も水を吐く龍も比較的新しい。
そして左側の「旧殿の水」。
こちらは古来薬効ありといわれ保存できるという。隣同士で違う水。不思議ですね。
旧社殿にあったものなのだろうか、造りが古い感じ。
境内にある小さな橋の下を流れる小川。黒い岩の間を清らかな水が流れている。
流れの先にある水の落ち口。ここから「不動滝」となって落ちていく。
山深い地で、清らかな水に触れた散歩でした。