黄色い花が咲く丘の上からは、街並みや港が見渡せる。その向こうは日本海。
つわぶきの花が咲く海辺の町へ。
長岡市の海沿いの町、寺泊へ。
江戸時代には北前船の寄港地として、また、北国街道の宿場町として栄えていた海辺の町。
秋になると、つわぶきの黄色い花が、小路や庭、石段など、町のあちこちに咲く。
10月初旬から11月中旬にかけて、町のあちらこちらでみられるが、特にこの「つわぶき坂」は一番の群生地。
つわぶき坂の上にある展望台は、花と海を眺めながらゆっくりできる特等席。
つわぶきの花言葉は「困難に負けない」。
この日はもう、花びらを落とし始めたものも多かった。それでも、黄色の花がまわりにエールを贈っているように思えた。
ここから見る夕日はきれいだろうなあ。
帰り道。
長い石段を登っていくと、町と海を見下ろすように建っている「白山媛神社(しらやまひめじんじゃ)」。
昔から人々に親しまれている寺泊の鎮守さま。
黒い目玉が愛嬌のある狛犬、「あ」。
真面目な顔でトンボにとまられている狛犬、「うん」。
海を望む高台には、他にも住吉神社、二面神社など、いくつかの寺社が並んでいる。
「ロマンス街道」と名付けられた高台の小路は、
「北の鎌倉」と言われた(!)寺社仏閣群が並び、歴史を感じる静かな散歩道。眺めもいいし、趣があって好きな場所。
町を見下ろす「生福寺のオルゴール塔」。
戦時中、寺泊の各寺の鐘も供出させられた。
戦争が終わって、それぞれ再建されていったが、ここ生福寺の鐘楼は、オルゴール塔として生まれ変わった。
曲は「浜辺の歌」。優しいオルゴールの音色が海辺の町に時を告げていたんですね。
現在は故障のため中断しているらしいが、聴いてみたかったなあ。
線香花火みたいで綺麗だったのでパチリ。
大きな松の幹から出ているつわぶきを見つけた。
目の高さくらいにある幹のわずかな隙間から伸びて、花を咲かせている。生きるものの生命力。
咲いている花も少なくなったこの時期。
たくさんの黄色い花に元気をもらったような気がして、海辺の町を後にした。