秋の陽に照らされる池。モミジがたくさん散っていた。
落ちてもなお美しい姿に、また足が止まって。
少しずつ陽は傾き、広い庭に影の部分が多くなってきた。自然と足早になる。
歩いていくと、陽に照らされた池に散ったモミジが…
うう… きれいに見えてしまう… これはしばらく動けない。しょうがないなあ。
落ちた葉。映る葉。どちらも美しい。
着物の友禅模様のよう。
本当はもっといたかったが、太陽は待ってくれない。
後ろ髪を引かれながら、また歩き出す。
紅葉には夕方の光がよく似合う。真っ赤なモミジもより鮮やかに。
広場に白い山茶花が咲いていた。
さっきまで照らされていた葉が、わずかな時間で影になっていく。
これは後で撮ろう、なんて思っていてはダメ。きれいに見えたその時にシャッターを押していく。
葉が散り落ちた石段に夕方の光。束の間の輝き。ちょっと暖かく、ちょっと寂しい。
訪れる人も減ったこの時期、紅葉の名所は少し落ち着きを取り戻していて、それが何より気持ちよかった。
見頃は過ぎていたが、秋の光のおかげで綺麗なものをたくさん見つけた。
残っている葉も、散り落ちた葉も美しかった。