春の里山を歩いていると、自然の息吹があちこちに。
目を凝らさなければ気づかないほど小さなものでも生きるチカラを持っている。
遊歩道の先にある城跡を目指して。里山散歩の続きです。
空に向かって力強く伸びる木々。
冬を耐え抜いた逞しい姿。もうすぐ芽吹き。これから葉っぱをぎっしり付けていく。
小さな新芽が太い木の幹からいきなり出ていた。
枝になるのか? それとも別の植物が隙間に入り込んだのか? 緑色の小さな命。
大きな木にモシャモシャぐるぐる巻きついて上へ、上へ…
したたかに生きる植物もたくさんいる。
巻きつかれている方はどう思っているのだろう。聞けるものなら聞いてみたい…
まだ明るい緑色の葉っぱ。これからせっせと養分を造っていく。
道の脇に大きな木が横たわっていた。
その上にびっしり生えたコケが、馬のタテガミのように光っていた。
よく見ると、無数の蒴(さく)を伸ばして胞子を飛ばす準備をしている。
小さくても逞しく生きる姿。春の陽射しがスポットライトのように照らしていた。
海を望む城跡までもうすぐ。
最後の分岐。
右へ行けば目的地。
しかしまたしても気まぐれな足がフラリと左へ… 行きたいのだからしょうがない。
薄暗い杉林を抜けると、
視界が開け、海を見下ろす高台の斜面に出た。道沿いに大きな木が枝を伸ばしている。
海辺の久田(くった)集落へ下っていく道で、日本海の風雪をまともに受ける斜面。
過酷な風や雪に耐えながら生きている木々。
曲がりくねった太い幹や無数の枝は生命力に満ちていた。
海を望む絶好の場所に、ひときわ大きな木が。
根元にあるのは、何かの祠だろうか、それとも墓だろうか。
それを風雪から守るように大樹が包み込んでいる。
それにしても力強い樹形だ。
山側に大きく曲がった幹が、海から来る風雪の過酷さを物語っている。
それでも光を求めて、縦横無尽に枝を伸ばしている姿は、ここで生きようとするチカラに溢れていた。
今度は葉を付けた姿も見てみたいものです。
奥の方に木が生えている高台が見えるが、あそこが本来の目的地、久田(くった)城址。
だいぶ離れたところに出てしまった…
まあ、好きなようにフラッと脇道へ外れるのも、お気楽散歩の醍醐味。
そろそろ引き返して、今度こそ目的地へ向かおう。(ホントは足が辛くなってきたから…)
春の光を浴びた木々の下、来た道を引き返す。
杉林を抜けて、さっきの分岐へ。
小さなコケも大きな木も、生きるチカラを感じさせてくれる春の里山。
脇道に外れてばかりで長くなってますが、あと1回でラストです。
今度こそ目的地の久田城跡へ、続く…