NIIGATAさんぽびと

カメラを持って出かけよう

静かな廃線跡

 

 

何があるわけではないのだが、この時期になると、ふらりと歩きたくなる道。
廃線跡の静かな遊歩道へ。

 

 

暑い日、新潟市南区にある「角兵衛獅子の里遊歩道」へ。

 

この道は、20年以上前に廃線になった新潟交通電鉄の線路跡。
中之口川に沿うように、全長2.2kmの遊歩道が続いている。
もう何度も来ている場所だし、特に珍しい景色が待っているわけではないのに、何となく足が向いて。

 

 

レールと枕木が部分的に残され、線路の記憶をとどめている。

 

 

次々に咲いて一日で散ってしまうムクゲの花。この花はもう次の日には見られない。

 

 

ここは「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選ばれている。でも、いつ来てもほとんど人と会わない。
まあ特別な景色があるわけでもないので、わざわざ出かけてくる人もいないのだろう。
ここを電車が走っていたんだなあと思いながら、ただ静かに歩く道。

 

 

少しだけ残っていたヤマボウシの実。

 

 

ここに限ったことではないが、誰も来ないような場所にいると、
自分は何でここを歩いているんだろう、もっと景色のいいところはあったのに… という微かな後悔と、
静けさを独り占めしている喜びが交じり合う。
この妙な心地よさがあるから、こういう場所にまた足が向くのかもしれない。

 

 

見頃はもう過ぎてはいたが、涼しそうな色のアジサイが咲いていた。
この花を気に留める人は他にいないだろうな、なんて思いながらレンズを向ける穏やかな時間。

 

 

すぐ脇を流れる中之口川。豊かな水がゆっくりと。
遊歩道と並行する土手の道はサイクリングロードになっている。

 

 

ところどころにベンチも。座っている人をまだ見たことがない…

 

 

途中にある竹林。スッと伸びた竹がとても涼しげだった。

 

 

ガクアジサイが日を浴びて。

 

 

帰りは、いつものように川を眺めながら土手の道を。 今日も誰もいなかったな。

 

 

ジリジリと陽射しが照りつける暑い日。
びっしょり汗をかきながら、なんでもないものを撮り歩く、いつも通りの静かなひとときだった。