NIIGATAさんぽびと

カメラを持って出かけよう

田んぼの中の木造校舎 Ⅱ

 

 

自分と縁もゆかりもない校舎なのに、中にいると懐かしいような気持ちになってくる。
閉校になった後も残されている旧別俣小学校。前回の続きです。

 

 

民俗資料の展示室にあった牛乳瓶。
昔の脱脂粉乳は美味しくなかったなあ。(知らない人が多いか)

 

 

書き方の手本や、語学、算術の教科書とか。

 

 

縄文土器の破片や鉱石の標本も。

 

 

廊下の水飲み場に石鹸がぶら下がっていた。こういうのはもう見なくなったな。

 

 

隣の教室の一角にあった図書のスペース。

 

 

シートン動物記やファーブル昆虫記は好きだったので、「おおかみ王ロボ」は読みました。

 

 

今はものすごくカラフルですが、昔はランドセルといえば、赤と黒

 

 

校長室にあった椅子だろうか。

 

 

さて、そろそろ下に戻ろう。

 

 

写真だけ見ていると、廃校に流れる静かな時間… という感じがするが、
実はこの時、校舎の中はかなり賑やかだった!

 

この日、ここに到着してグランドを歩いていると、
「ワー!!  キャー!! ドタドタドタ……!!」と外まで聞こえる子供達の声。音楽も鳴っている。
あまりの賑やかさに「おいおい、床が抜けるんじゃないか…」と心配しながら中へ入ると、
10人ほどの子供達が、叫声を上げながら廊下を走り回っていた。

 

 

何かイベントでもやっているのかなと思い、
「こんにちはー!」「こんにちはー!」と挨拶をかわしながら、気にせず校内を歩きはじめた。
カメラを持った知らないおじさんに興味を持った子供が「何撮ってるのー」と聞いてくる。

 

しばらくすると、廊下の奥から、引率者らしい女性が申し訳なさそうに歩いてきた。

どういう集まりかは聞かなかったが、月に一度、子供達をここへ連れてきて思いきり遊ばせているという。
普段、学校で言われている「廊下は走らない」とか「大声を出さない」とかのルールを
すべて取り払った時間を子供達に与えているのだろう。
校舎を丸ごと貸切状態! そりゃあ、子供もテンションが上がる。
ラジカセからは音楽が鳴り響いているが、まわりは田んぼなので気兼ねはいらない。

 

「すみません。うるさくないですか」「いえいえ、気になりませんよ。元気でいいですねー」
と、優しく寛大なおじさんは静かに写真を撮り歩いたのだった。
(私に気を遣って、音楽の音量を少し下げてくれたようだった)

 

 

この日はとても暑かった。古い校舎には、もちろんエアコンなどない。
本音をいえば、
この騒がしさのなかで、滴る汗を拭いながらファインダーを覗いているのは、
何かの修行のようだった。(笑)

 

 

久しぶりに訪れた旧別俣小学校。

 

誰もいない古い校舎で静かな時間に浸る… とはならなかったが、
優しく寛大なおじさんとしては、
この校舎に子供たちの元気な声が響き渡っている日に来れたことが、ちょっと嬉しくもあった。