もう晩秋の気配になってきましたが、当ブログはようやく紅葉の季節を迎えました。
けっこう頑張っているんですけどね… ぜんぜん追いつけません。(もう追いつく気もございません)
いつものように、色づきの早い妙高高原からスタートです。
妙高市の笹ヶ峰高原は、県内でも早く色づくエリア。
標高が高い割にアクセスしやすいので、紅葉シーズンになると真っ先に訪れることが多い。
まずは、標高1,340mの森にある仙人池へ。
今シーズン最初に目にする紅葉風景にワクワク。
池はちょうど見頃だった。いつものように時計回りでゆっくりと。
秋の陽射しが気持ちいい。
この日は風も無く、きれいな水鏡に。
映り込んだ葉っぱがゆらゆら。
光あふれる紅葉の中を。
ここに着いた時から気にはなっていたのだが、ずーっと話し声が聴こえる。
奥の水際で三脚を立てたおじさんが二人、写真談義に花を咲かせているようだ。
木々に囲まれた小さな池は、天然のコンサートホールのようで音響効果がいい。
普段あまり聴かない関西のイントネーションの大きな声が響きわたっている。
三脚を据えたまま、撮影している様子もなく、ずっと喋っている。
別にふざけているわけでもないし、悪い人たちではないようだが、やたら声がでかい。
会話の内容は写真のこと。聞こえてくる内容は理解できるので、ふうん、と聞き流しながら歩いていた。
でも、ここには静かに紅葉を楽しみたい人もいる。
写真に興味のない人にとっては、関西弁の大きな声がずーっと聞こえているだけだろう。
途中で引き返してきたご夫婦が、「やかましいね…」と小さな声で喋っていた。
細長い池の一番奥から、岩の上に上がって広めのカットを。
ちなみに、「声の発生源」をすぐ後ろから見下ろすように立っております。
もう少し下向きにすれば、アタマ写ります。(やめときましょう。笑)
今は撮影機材の話題になっているようで、
「昔は4×5(シノゴ)のカメラを据えていると、まわりからカメラマンがいなくなったもんだ」とか言っている。
(ここでワンポイント解説)
4×5(シノゴ)とは大判フィルムの一つで、数字は大きさを表し、他にもいろいろサイズがあります。
撮影にはそれなりのスキルが必要ですし、フィルム代もバカになりません。
ここでは、
「私は昔、普通の人が持っていないような、高価で難しい大判の機材を使っていた。
それを三脚に据えていると、他のカメラマンはそんな機材を使っている私に気後れし、遠慮してまわりから離れていったものだ。」
という意味になります。
それ、まわりの人達もやかましかったのかも。
それにしても、シノゴって久しぶりに聞いたなあ。懐かしいなあ…
時々、木々の隙間から池を撮りながら、ゆっくり先へ。
岸辺でしゃがみこんで。水が近いと癒される。
一周500mくらいの小さな池。今シーズン最初の紅葉が嬉しくて、時間をかけて歩いた。
その間、大きな声はずっと止むことはなかった。
美しい景色のなかで、同じ趣味を持つ仲間との語らいは至福の時間だろう。
でも撮影に出かける時は、車にはカメラを、心には小さな気遣いを積んで行きたいものだ。
荷物にはならないから。
今シーズン最初の紅葉。やっぱり秋は美しく、そして楽しい。
次は、いつものように牧場へ。続く…