北ノ又川の清らかな流れ、その先には越後駒ヶ岳がそびえる。
秋化粧した銀山平へ。
越後駒ヶ岳や荒沢岳など2,000m級の山々に囲まれた銀山平。
今は奥只見シルバーライン(とにかく長いトンネル)で簡単に来れてしまうが、
地理的には秘境と言っていいほどの山奥。
江戸時代は近くに銀の鉱山があり、諸国から集まった代官・採掘師・商人・遊女などで賑わっていたという。
しかし江戸時代末期に閉山。人は去り、大自然だけが残った。当時の集落の中心部は、今は奥只見湖に沈んでいる。
銀山平を流れる北之又川。
そこに架かる石抱橋は清流と山々が一望できるスポット。
到着した時はちょうど晴れていて、青空と赤く色づいた木々がきれいだった。
水は澄み、
色づいた木々は美しい。
この橋から上流は永年禁漁区。許可無く川に入る事も禁止。
それを表示したロープがかかっているのだが、なんというかカメラマン泣かせ。
橋の上でスマホをかざしながら「あー、字が入る〜」と言っている人をよく見かける(笑)
まあ、こっちが勝手に撮っているだけなので、しょうがないですね。
橋の下から。
少し雪をかぶった日本百名山の越後駒ヶ岳が正面奥にそびえている。
標高2,003mで、八海山、中ノ岳とともに越後三山(魚沼三山)のひとつ。
越後三山の憶え方は、「は(八海山)な(中ノ岳)こ(駒ヶ岳)」です。
下流側に目をやると、川底の落ち葉がはっきり見えるほど澄んだ水!
橋の脇にある開高健記念碑。
この地に魅せられ、長期滞在して魚釣りを楽しみ、この地域にも貢献した芥川賞作家。
著書である「河(かわ)は眠らない」の文字が刻まれている。
石抱橋から、車で枝折峠の方向へ少し登って、
途中のスペースに車を止め、お目当ての景色を。木の隙間から覗く銀山平温泉エリア。
真ん中手前にあるのが日帰り温泉施設「白銀の湯」。まわりはログハウス風の宿。
雄大な大自然のなか、身を寄せあうように建っているかわいい三角屋根。
そうこうしているうちに、ありゃありゃ… 空はどんより… あっという間に青空がなくなった。
駒ヶ岳の表情もさっきより冷たく見える。
予報は晴れだったのに、山の天気はあてにならない。
秋って、陽射しがなくなると途端に寂しくなってしまう。
こんな山奥にいるとなおさら。
これから、あの三角屋根のあたりを散策する予定なのだが、すっかり曇ってしまったぞ。
さて、どうしたものか…
いつ行っても誰も歩いていない場所だし… クマ住んでるし…
いっそ予定を変えて奥只見ダムへ行こうか… でもこんな天気じゃな… 人も多いし…
うーん。
とりあえず予定通り行ってみよう。秋の心細さにどっぷり浸ってしまえ!(もの好き)
ということで、石抱橋まで戻って、上流に向かって車を走らせる。
途中、前嵓橋(まえぐらばし)のあたりで休憩。曇り空で紅葉もしっとりと。
また晴れないかなあ… と空を見ながら上流へ向かう。
続く…