夏の初めに、杉木立の参道で苔を眺めた静かな時間。
昨年タイミングを逃し、アップできなかった散歩をお送りします。
ようやく紅葉の記事が終わりましたが、
季節感の強いものを優先するため、作りかけていたのにアップできなかった記事がまだあります。
最近は出かける機会もめっきり減ったので、そんな記事をいくつかアップしようと思います。
季節はズレていますが、どれも楽しかった散歩の記憶。よろしければお付き合いください。
「苔青し」は、俳句では苔類や地衣類が青々と茂ることをいう夏の季語。
本格的な夏へ向かう6月の中旬、加茂市の嶽山寺へ。
苔むした参道が素敵な山里の静かな寺。
踏むのがはばかられるような苔の参道。
寺に行くには別の階段があるので、ここを歩く人はほとんどいない。
そのおかげで、この景観が残っている。
もしたくさんの人が通ったら、すぐに消えてしまう景色。
この日もできるだけ踏まないように脇の方から写真を撮っていた。
以前よりも苔が不揃いに感じたのは、時期的なものだろうか。
フカフカなのにしっとりしていて、
鮮やかなのに派手じゃない。
地球上初の陸上生物は苔だったとか。
見ているだけで不思議と心が落ち着くのは、遠いご先祖様だからかな。
少し見渡しただけで、いろいろな苔があった。
世界には約2万種の苔があって、そのうち日本には1,700~1,800種類ほどあるらしい。
境内に吊られた風鈴。涼しい音色があたりに響いていた。
スギゴケの中をのそのそ歩いていたカエル。チクチクしないのかな。
葉から葉へ、音もなく移動していた涼しそうなトンボ。
静かな境内。瑞々しい生命力に癒された、初夏の昼下がりだった。