史跡やお寺が多く点在する海辺の街、寺泊。
10月初旬から11月中旬にかけて、町のあちこちに石蕗(つわぶき)の花が咲く。
出かけたのは10月が終わる頃。
ちょうど紅葉の時期と重なったため、後回しになって記事にできなかった。
寺泊は江戸時代には北前船の寄港地として、また、北国街道の宿場町として栄えていた海辺の町。
この時期になると、小路や庭、石段など町のあちこちに可憐な黄色い花が咲く。
花言葉は「困難に負けない」。
海岸沿いの岩場や林の縁などに自生する花で、
海辺の厳しい環境や日陰にも耐える強さを持っている。
他に「謙譲」「謙遜」という花言葉も。どこか控えめで日本的な落ち着きを感じる。
また、「先見の明」なんていう花言葉も。
花は春に咲くものが多いが、それよりも早い冬に咲かせるから、らしい。
いろいろな花言葉があるのは、
他にあまり花のない時期に咲く石蕗を見て、人々が様々な思いを重ねてきたからだろう。
寺泊随一の群生地、つわぶき坂の上にある展望台へ。
街を見下ろす「つわぶき坂展望台」。
地元の「つわぶき坂を育てる会」の皆さんが斜面の草刈りや案内板の整備などをしている。
花に囲まれ海を眺めながらゆったりできる癒しの丘。
この日はあいにくの曇り空。日も傾いてきた。
ちょっと寂しい午後の海辺。でも、こんな感じも悪くない。
同じ黄色い花でも、菜の花やひまわりとはやっぱり違う。どこか落ち着いた初冬の花。
展望台を後にして奥へ進む。歴史を感じる高台の道を。
海を見下ろす高台に寺社仏閣が並び「北の鎌倉」といわれた寺泊。
まあ、「鎌倉」はちょっと言い過ぎな気もするが、それだけ昔は栄えていたのだろう。
歩いているとそこかしこに歴史を感じる。
風情ある小路や軒下につわぶきがたくさん咲いていた。
帰りは下に降りて、つわぶき坂を下っていく。寺泊随一の群生を眺めながら。
壁に描かれたつわぶき。上手ですね。
上に見える場所がさっき歩いた展望台。
静かな海辺の町に咲く黄色い花。また今年も癒された。