高浪の池の近くにデンとそびえ立つ「明星山(みょうじょうさん)」。
この巨大な岩山、実は太古の昔に南の海からやってきたサンゴ礁。前回の続きです。
糸魚川市の山の中にある「高浪の池」。
ここに棲むという巨大魚に思いを馳せながら、池のほとりを散策。
秋の陽を浴びてのんびり歩いていく。
水辺に降りれそうな場所に「写真スポット」と書かれた看板が立っていた。
最近は誰でも写真を撮るようになったので、こういうのをよく見かける。どうもご親切に。
岸辺に降りてみると、なるほど見晴らしがいい。
タイミングよく風が止んで、水鏡の風景ににしばし見惚れた。
でも看板に載せてる写真のアングル、ここじゃないです…(笑)
でも美しいのでここで満足するお気楽カメラマン。
奥にそびえる大きな岩山は、標高1,188mの「明星山(みょうじょうさん)」。
高浪の池のランドマーク的存在で、紹介写真に必ず登場する美しい岩山。
実はこれ、南の海からやって来たサンゴ礁の塊なんだとか…!
約3億年前、赤道近くの海底火山の上にできたサンゴ礁が、
海洋プレートに乗って、数億年以上の時間をかけてここに運ばれて来たのだという。
全山が石灰岩でできていて、
サンゴ、アンモナイト、三葉虫、ウミユリなどの化石が多く含まれているらしい。
地球のパワー、とんでもない…
ちなみに、少し離れた高台から見るとこんな感じ。
むき出しの岩肌は異様な存在感。
これがはるか南の海からやって来たとは信じられない。
山の直下は国の天然記念物に指定されているヒスイの産地「小滝川ヒスイ峡」。
そこからそそり立つ南壁は440mを超える垂直の岩壁で、
ロッククライミングの名所になっているらしい。
あの東京タワーよりも100mも高い崖を登る…!?
高いところが苦手な私には、もはや正気の沙汰とは思えません…
対岸を歩いている間、明星山がずっと見え隠れ。
光が射す明るい道。
入り口側の芝生広場もきれいな水鏡に。それにしてもいい天気だ。
風が吹いたり止んだり。その度に水の表情が変わっていく。
短い秋を惜しむように、たくさんのススキが輝いていた。
今シーズンの営業を終了したキャンプ場は、寂しいほどひっそり。
山の中に静かに佇む高浪の池。
巨大魚が棲む池を、はるか南の海からやってきた巨岩が見守っている…
大自然のロマンを感じた散歩だった。