菅名岳の山麓、のどかな集落の観音堂境内にイチョウの巨木がある。
昔から母乳や安産の神木として崇拝されてきた「乳銀杏(ちちいちょう)」。
阿賀町の「将軍杉」にパワーをもらった後、
巨木つながりで、五泉市切畑集落にある「切畑の乳銀杏」へ。
歩いていくとすぐに明るい色の葉をびっしりと付けた木が見えてきた。
「切畑観音堂」の境内にそびえるこのイチョウは、推定樹齢1200年。
幹周りは約12m、樹高は将軍杉と同じ40m。初めて訪れたが、大きく美しい木だ。
幹のまわりから数十本の乳柱が下がっていることから、「乳銀杏」の名がついた。
これを削って煎じて飲むと、母乳が良く出ると言い伝えられ、
昔から母乳や安産の神木として崇拝されてきた。
根元には祠が祀られている。
訪れたのは12月の初旬。イチョウが色づく時期だったが、この老木はまだ青々としていた。
それにしても古木とは思えぬ程、すごい葉っぱの数。
それだけでもかなりの重量だろう。
折れてしまった枝も多いが、まだまだ樹勢は旺盛。神木としての風格が漂っていた。
すぐ近くに建つ観音堂へ。
木々に囲まれてひっそりと建つ「切畑観音堂」。
東大寺の大仏建立にも尽力した僧、行基が北国巡行の際、「乳銀杏」の枝を切り取り、
高さ五尺(約1.5m)の十一面観音像を刻んで安置したと伝えられる古刹。
蒲原観音霊場第三番霊場となっている。
堂内にはたくさんの花が飾られていて、大切に守られているのがわかる。
のどかな集落に立つ「切畑の乳銀杏」。
古木ながら、たくさんの葉を繁らせ、生きる力がみなぎっていた。
今度は黄金色に色づいた姿も見てみたいなあ。