前日、ライトアップされた美しい姿に魅せられた滝桜。
せっかくなので昼間も見ようと朝一番に訪れた。
福島の桜旅2日目。
郡山のホテルをチェックアウトして、再び三春へ。
普段、新潟の自宅から滝桜に行くには、渋滞を避けるために相当早起きしなくてはならない。
今日は幸せなことに目と鼻の先! しっかり朝食をとってから出発。
⑬ 滝桜
前日に満開が発表されたからか、
平日にもかかわらず、9時前には広い駐車場はほぼ埋まっていた。
出店が並んだ道中もすっかり春めいて。
夜の姿とは打って変わり、菜の花に囲まれて明るいムードの滝桜。
樹齢1,000年以上といわれるエドヒガン系ベニシダレザクラで、
桜の木として初めて国の天然記念物に指定された。
山高神代桜(山梨)、根尾谷淡墨桜(岐阜)とともに、日本三大桜のひとつ。
枝いっぱいに薄紅色の小さな花を咲かせ、
その姿が滝のように見えることから「滝桜」の名がついたとも言われている。
都まで 音に聞こえし滝桜 いろ香を誘へ 花の春風
滝桜の名は江戸時代から全国に知られていたという。
これは天保6年(1835年)に詠まれた句で、当時すでに今のように立派な大樹だったのだろう。
推定樹齢は1,000年以上。
科学的に調べれば、もっとはっきり解るのでは、と思ってしまうが、
滝桜は中心が空洞となっていた時代があったりして
年輪観察や炭素年代測定から樹齢を特定するのが難しいらしい。
戦後すぐの頃には、滝桜の根元に大きな洞があって、中で子どもたちが遊んでいたとか。
その後、空洞の中に16本の細い根が育ち始め、
丸太ほどの太さに成長し空洞を埋め、古い部分と一体化したという。
だから滝桜は芯の方が逆に若いようなのだ。
こんな若返りのウルトラCを繰り返してきたのだとすれば、驚異的な長寿も頷ける。
1000年前といえば、今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の舞台になっている時代。
遠い京の都で紫式部や藤原道長がなんだかんだやっている時に、この地で育っていたんですねえ…
滝桜の奥にある稲荷神社。
丘の上の桜はまだ咲き始め。
滝桜のバックを務めるこの桜たちが満開になると、春の華やかなステージが完成する。
後ろ側から見た滝桜。花が音を立てて流れているようだ。
丘の反対側、昨夜ライトアップを撮っていた高い場所からも。
夜も昼も見れた滝桜。 千年の刻を重ねた姿に元気をもらった。
帰り道。 梅・桃・桜のクリームを重ねたアイスにも元気をもらった。
桜旅2日目、このあとは郡山・三春の桜を…