新潟と福島の県境、2,000m級の山々に囲まれた奥只見ダム。
遊覧船に乗って秋化粧の湖を楽しんだ。
奥只見電力館とダムを見た後、本日の目的、奥只見湖遊覧船へ。
遊覧船の航路は3つ。
「周遊コース」「銀山平コース」、そして尾瀬へのルートになっている「尾瀬口コース」。
この日乗ったのは、奥只見湖をぐるっとまわる「周遊コース」。約30分の船旅だ。
乗ったのは、「しおり丸」という小型の船。
定員300人の大型船「ファンタジア号」にも乗ってみたかったが、
平日だったせいか、この日は運行していなかった。
船内の椅子には座らず、デッキで景色を楽しむことにした。
しおり丸は全席着席型の遊覧船なのでデッキは狭く、5、6人のカメラを持った人ですぐに満員。
巡視船が追い越して行った。仕事だと分かっているがちょっと気持ち良さそう…
船から見える赤い鳥居は「十二山神社」。
平安時代末期にこの地に移り住み、尾瀬の地名の由来とされる
尾瀬ノ三郎房利から譲り受けたという「虚空蔵菩薩」が祀られている。
村はダム湖の底に沈み、今は陸路で神社へ行くことはできない。
ダムがどんどん小さくなっていく。
間近で見ていた時はその大きさに驚かされたダムが、湖の上から見るととても小さくて、
よくこれだけの水をあの一箇所で支えているもんだと感心する。
紅葉はこれからもっと綺麗になるのかな、と思ったが、
さっき、シャトルバスのおじさんが
「今年の色づきはいまひとつ。この後は色褪せていきそうだ」と言っていた。
実際、この数日後の情報を見たら「色褪せ始め」となっていた。さすがおじさん、だてに毎日見てないな…
雪で削られたような急峻な山。
豪雪地帯の奥只見は冬季間は下界との行き来ができなくなる。
ダム近くにある「奥只見丸山スキー場」は、冬の間は閉鎖され、春になってから営業開始する珍しいスキー場。
この湖も、もうすぐ深い雪に閉ざされる。
奥只見湖は、面積約11.5km²、貯水量は約6億㎥…
と言われてもピンと来ないが、
面積は、東京都千代田区や文京区とほぼ同じ、
貯水量は、東京都の小河内ダム(奥多摩湖)や富山県の黒部ダムの約3倍…
うーん… とにかく大きいということです。
奥只見は、新潟県側から尾瀬に入る玄関口。
新潟・福島・群馬の3県にまたがる天上の楽園「尾瀬」。
尾瀬の山、沼、湿原… すべての水はこの奥只見湖に流れてくる。
湖の水の約4分の1は、尾瀬から来た水なんだとか。
向こうに見えるのは、「銀山平」へ行く船だろうか。
奥只見湖は別名「銀山湖」と呼ばれている。
このあたりは昔、銀の鉱山があって諸国から集まった人で賑わっていたという。
当時の集落の大半は今は湖の底。
約30分の紅葉クルーズもそろそろ終わり。スケール感のある秋景色を楽しめた。
レストハウスで腹ごしらえして、ダムを後にした。
帰り道はトンネルだらけのシルバーラインではなく、
枝折峠経由でのんびり帰ることにした。
銀山平を流れる北ノ又川に架かる「石抱橋」にちょっと寄り道。
ここは清流と山々が一望できるスポットで、
奥には日本百名山、標高2,003mの「越後駒ヶ岳」がそびえている。
川底がはっきり見えるほど澄んだ水。
この後、色づいた景色を見ながら、枝折峠のくねくね道を走って帰路についた。
久しぶりの秋の奥只見。秘境の雄大な景色に癒された。