6年ぶりに福島へ一泊二日の桜めぐりの旅。
1日目の二本松のラストです。
⑧ 智恵子の杜公園
のどかな景色のなか車を走らせ、次に向かったのは智恵子の杜公園。
この鞍石山一帯は、高村光太郎の詩集「智恵子抄」の中の傑作といわれる、
大正12年に作られた詩「樹下の二人」の舞台になった場所。
「樹下の二人」の一節にある
「あれが阿多多羅山(安達太良山) あの光るのが阿武隈川」
光太郎と妻・智恵子が景色を眺めながら散策した丘は、たくさんの桜に包まれていた。
一番高いところに立つ大きな桜の前には、「樹下の二人」の詩碑が。
いつまでも東京の空にはなじめなかった妻、智恵子のこころに深く刻まれたふるさとの景色。
詩の中で智恵子が言う「本当の空」とはこの鞍石山からの景色だという。
丘の上から見える日本百名山・安達太良山。
その形から「乳首山(ちちくびやま)」とも呼ばれる標高1700mの活火山。
寺院の名桜を巡るのも、それはそれで楽しいが、
市街地から離れて、静かな自然の中にいるとほっとする。
春化粧をした丘が微笑んでいるようだった。
⑨ 満福寺のしだれ桜
旅の1日目も終盤。次に向かったのは満福寺。
参道の脇に立つ桜はかなりの古木で、上の方が切られた形。
形は9年前に来た時と変わらないが、花が少なくて、枝振りも寂しくなった感じがした。
以前は下の方まで花が枝垂れていて、もう少し華やかな感じがしたが…
まだ少し早かったのか、それとも樹勢が落ちてしまったのだろうか…
参道脇に椿の花がたくさん落ちていた。
⑩ 龍泉寺の翔龍桜
旅行1日目。予定した時間もそろそろなくなって来た。
次に向かったのは龍泉寺。
龍泉寺は霞ヶ城公園の西側の高台にある曹洞宗の古刹で、
1460年、二本松城主・畠山政泰公が初代・高国、二代・国氏の菩提を弔うため
開山したという由緒ある寺。
ひときわ目を引くのが「翔龍桜」と呼ばれる樹齢約330年のエドヒガン。大きな木だ。
眼下に広がる寺前の棚田を見下ろすように咲いていた。
太い幹を空へ伸ばして。力強さを感じる桜。
菜の花も咲いていて、境内はすっかり春景色だった。
二本松で予定していた場所はこれで全て見終わった。
そろそろ予約した郡山のホテルに向かおうとしたのだが、
目の前に広がる美しい棚田に目を奪われてしまった。少し寄っていくことに。
⑪ 西谷棚田
黄色の菜の花が棚田を縁取り、のんびり眺めていたくなる美しさ。
遠くに安達太良山も見える。
農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に選定されている棚田らしい。
「河津桜の入り口」という看板があったので、少し歩いてみた。
河津桜はもう終わりに近かったが、他にも白やピンクの桜がのどかな里山を彩っていた。
一泊二日の福島旅行の1日目。11箇所を駆け足で回った二本松はこれにて終了。
天気にも恵まれて、どこも美しかった。
桜めぐりの旅はまだ続きます。次は三春のあの桜です…