微かな心細さと向こう側への期待感。トンネルには独特の雰囲気がある。
子供の頃から何十回も歩いている弥彦公園のトンネルを抜けて奥へ。 前回の続きです。
もう100年以上前に造られた弥彦公園のトンネル。国の登録有形文化財。
写真でもお解りのように、山が低すぎて通常の工法では掘ることができず、
いったん山を切り開き、トンネルを造ってから、また土を盛って山の姿に戻したというこだわりよう。
こちらの浅尾池側入口付近の岩石は、わざわざ富士山の溶岩を運んで来たもの。
公園造営時の気概が伝わってくる施設で、その姿は子供の頃の記憶と変わっていない。
大正時代に造られたレンガ造りのトンネル。
坑門のアーチ周縁や壁柱、笠石を花崗岩で造り、壁面を煉瓦で化粧している。
レンガ貼りの壁面にレトロな照明。長さ55mの異空間。
小さい頃、このトンネルはとても長く、大きく、暗く感じられて、
ここへ入っていく時には、少し緊張したものだ。
もう数え切れないくらい通っているのに、その感覚はいまだに残っている。
トンネルを抜けると、もみじ谷の輝く青葉が広がっていた。
ツツジも陽を浴びて。
紅葉シーズンになれば、橋の上は人でいっぱい。その賑わいが嘘のようにひっそりと。
橋の上から眺めるみじ谷。秋になれば錦の絨毯になる。
観月橋の下の道へ。出口までずっとモミジの青葉が続いている。
新緑を映す池。
ゴールデンウィークにもかかわらず、昨年同様、とても静かだった弥彦公園。
今年も新緑とツツジに癒された。
帰り際、弥彦駅前の藤棚がきれいだった。これから公園の緑も濃くなっていく。