秋の光に輝きながら流れていく湧き水。
澄んだ水はその音まで優しく透き通っているようだ。
清水ヶ池を後にして、「宇棚(うだな)の清水」へ向かう。
川のせせらぎを聴きながら、気持ちのいい遊歩道。
高い山々に囲まれた笹ヶ峰高原は、湧水が多く存在している。
ここに息づくたくさんの生き物の命の源。
川沿いの遊歩道には様々な植物が見られる。
いろいろなキノコもあちこちに。
道のまわりに目をやれば、どこまでも広がる草原。本当に広い牧場だ。
平成の名水100選「宇棚の清水」の水汲み場に到着。
清らかな水は夏でも水温6度。
湧出元はここからさらに奥にあって、直径1mほどの横穴から吹き出しているらしい。
噴出する水の量も多く、昭和44年まで水力発電に使われていたほど。
湧出元へは簡単には行けないが、清水の一部を引いたこの水汲み場でいつでも味わえる。
この流れは清水ヶ池へ続いている。池の水があんなに澄んでいたのも納得。
数年前にこのあたりの木を伐採して整備したため、今は明るく開けた雰囲気になった。
陽射しもあって、水のせせらぐ音が心地いい。ずっといたくなる場所だった。
さて、名残惜しいがそろそろ戻ろう。ここからは広い牧場の中を横切って行く。
この牧場では、毎年5月下旬から10月下旬まで、県内各地の農家から預かった牛を放牧している。
もうそれぞれの場所へ帰ったのだろうか、牛の姿はなかった。
道に覆いかぶさるような大きな木も色づいて。
この艶やかさは、葉を落とすまでのわずかな時間だけ。
長い冬を越えて、春にはまた優しい色の若葉が顔を出す。繰り返される自然の美しさ。
秋の陽射しを浴びながら、遠くまで続く景色はどれも美しく、
やっぱりここは気持ちいいところだなあ、とあらためて思った。
今年最初の紅葉散歩。
天気にも恵まれ、仙人池や笹ヶ峰高原を巡って気持ちのいい一日だった。
清々しい気持ちで帰路に着いた。