NIIGATAさんぽびと

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弥彦温泉発祥の地、湯神社へ Ⅰ

 

 

弥彦公園の奥、山中の細い参道を歩いていくと小さな神社がある。
弥彦温泉発祥の地とされる「湯神社」へ。

 

 

弥彦公園の奥にある御殿山(標高116m)の中腹、弥彦温泉発祥の地に建てられた湯神社。
湯が見つかったのは今から1000年前。
それから数百年後にお湯は止まってしまったが、霊泉の名残が受け継がれている。

 

 

弥彦公園の奥の広場に鳥居が並んでいて、そこが湯神社(石薬師様)への参道。
子供の頃、よくわからないまま「イッシャクサマ」と呼んでいたが、
それは「石薬師様」で、道の奥にある「湯神社」のことだと知ったのは大人になってから。

 

天気も良かったので、久しぶりに「イッシャクサマ」へ行ってみようかと。

 

 

鳥居が続く明るい斜面。
実は、昔はここも木々に覆われ、細い参道が中へ続いていた。
鳥居の向こう側へ入るのを一瞬ためらうような、ただならぬ空気感が好きだった。

 

ある日訪れてみると、その林がすっかり伐採されて丸坊主になっていた。
何もない斜面に鳥居だけが並ぶ様子を見て、呆気にとられていたの覚えている。
伐採されて10年以上経った斜面には、下草や若い木が伸びてきている。

 

 

参道に並ぶ赤いのぼり。

 


御殿山の中腹にある「御殿山配水池」跡。
ここに蓄えた水を自然の落差を利用して各家庭に届けていたらしいが、
今はその役目を終え、笹藪が広がるだけ。

 

 

参道の途中にある小さな祠は「勝(すぐる)神社」の御神廟。

 

 

弥彦温泉発祥の由来はこんなお話。

 

今から千年ほど昔。弥彦に権九郎という猟師がいた。
ある秋の日、権九郎は朝早くから峰々を駈け廻ったが、
兎一匹、山鳥一羽も獲ることができず、疲れ果てて林中に入っていった。

山道を歩いていると、 突然、目の前の林からバタバタと一羽の山鳥が飛び立った。
権九郎は素早く矢を放ったが、矢は山鳥を傷つけただけ。
山鳥は手負いのまま飛び去り、後を追っていくと、そこにはきれいな池があった。

 

 

その池にはお湯がコンコンと湧き出ていて、
先ほどの山鳥をはじめ、たくさんの鳥獣が仲良く湯浴みをしている。

その様子に驚き、しばらく眺めていた権九郎は、身につけた衣類を脱いで自分も入ってみた。
湯加減もちょうどよく、疲れがみるみる取れていく。
しかも、山中を歩き廻って受けた傷もどんどん回復していく!

 

 

権九郎は急いで里に帰り、このことを皆に告げて廻った。
話を聞いた村人はこぞって池を訪れ、入浴してみると、聞いた通りのすばらしい効果。
やがて「弥彦の霊泉」として広く知れ渡り、たいそうな賑わいをみせたという。
これが弥彦温泉発祥の由来で、その場所に建てられたのが湯神社。

 

 

鳥居をくぐりながら、どんどん奥へ。

 

 

ようやく奥の方に湯神社が見えてきた。後半へ続きます…