色は失っても、その形を残す花。名前はわからないけど、咲いた姿は憶えている。
季節は移り、まわりの景色は変わってしまったが、ここで咲いていたという証。
森のところどころに咲くあじさい。冬もまた違う姿で楽しめる。
雪が作った白い絨毯。 雪の上でなかったら、気づきもしない小さなもの。
木にくっついて、じーっと冬を乗り切る。コケは強い。したたかです。
雪をかぶっても青々とした葉をつけている小さい木。たくましい。
最後の粘り….。この枝を白く覆っていた雪も残りあと僅か。
今にも消えそうな氷の粒。
森はゆっくりと、でも確実に、春へ近づいている。