村岡城址から雪割草の咲く道をたどって、さらに奥へ。
そこには、眼下に日本海が広がる城跡が待っていた…
「雪割草の咲く道」ファイナルです。
雪割草を求めて、妙法寺から村岡城址、六万部塚へと歩いてきた。
今年もたくさんの花に会えてよかった。
ここへはもう20回以上通っているが、実は、ここ六万部塚より先に行ったことがない。
看板に書かれた「久田」の文字は目にしていたのだが、
どこかの集落へ続いているだけの道だと勝手に思い込んでいた。
調べてみると、「久田(くった)城」という城跡まで道が続いているらしい。
それも、日本海を見下ろせる場所というではないか!
何度も来ているのに、うかつにも気づかなかった。
もともと城跡めぐりは好物なので、もちろん行きます、久田城!
六万部塚の分岐から、杉林を抜けて奥へ進んで行く。
この道沿いにも雪割草が咲いている。
なだらかで歩きやすい一本道が続く。
まわりの景色が適度に変わっていくので楽しい。
ここは木のトンネルみたいになっている。 木漏れ日が気持ちいい。
日当たりが良い場所では、もうカタクリがたくさん咲いていた。
キクザキイチゲや、
ショウジョウバカマの群生も。
木々の向こうに海が見える。 目的地に近づいてきたようだ。
まわりの景色が変わるので、歩いていても飽きない。気持ちのいい道。
最後の分岐を右に。
この辺はぬかるみが多く、かなりぐちゃぐちゃ。雨が降った後などは要注意。
ふいに、何かのしっぽみたいなものに目が留まった。
目でたどって見上げると、モシャモシャした太い根が高い杉の木に巻き付いている。
まわりの杉も、同じモシャモシャにグルグルされている。
木に巻き付いている植物はよく見かけるが、こんなワイルドなのはあまり見たことがない。
その生命力もすごいが、巻きつかれている杉も大変だ。
と、少し離れたところに途中を切断されたモシャモシャを見つけた。
これはかなりの大物で、根と言うより木だ。
さすがに、これ以上はダメ! と管理者の目に留まって、杉を守るために切られたのだろう。
しかし、1箇所くらい切られても負けないような生命力を感じる…
林を抜けて、海が見えてきた。
最後の坂を上がれば、目的地…
久田城址に到着!
目の前には日本海。
妙法寺の裏から続く尾根道の先端部分で、見晴らし抜群の城跡だ。
歩いてきた方を振り返って。
日本海からの風雪で、このあたりの大木は横になびいた形になっている。
向こうに見える集落が久田(くった)だろうか。
海側からも登ってこれるようだ。
今日の海は穏やかで気持ちがいい。
六万部山からここまで、あちこち寄り道しながら1時間くらいかかったが、
普通に歩けば20分くらいで着きそうだ。
到着した時、若いグループが楽しそうにお弁当を広げていた。
ここで食べるご飯は最高だろう。
楽しそうな声が少し聞こえた。「ここまで12分くらいだったね!」
…若いって素晴らしい…
青い空に青い海。
こんなところまで来れるなんて知らなかった。
またひとつ好きな散歩道ができた。
さて、そろそろ帰ろう。
来た道を戻る。 陽もかなり傾いてきた。
光の角度が変わり、さっきとまた違った表情を見せる花たち。
最初は人の多さに驚いたが、今年もたくさんの雪割草に会えた。
今回初めて奥まで歩いたが、予想以上に素敵な道だった。
帰り道、
光に照らされる花を見ながら、
この景色が来年も、その先も、ずっと残って欲しいと思った。
新緑の頃にまた来よう。
好きな場所なので、つい引っ張ってしまいました。
「雪割草の咲く道」、これにて終了。
ご覧いただき、ありがとうございました。