NIIGATAさんぽびと

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蕎麦の花

 

 

一面に広がる白い花畑。
9月とは思えぬ厳しい暑さが残る日、高原の蕎麦畑へ。

 

 

まだまだ残暑厳しい9月中旬。
そろそろ蕎麦の花が咲いたかなと、小千谷市山本山高原へ。
山や川や平野がきれいに見渡せる山の上に、7月と9月に蕎麦の花が白い花を咲かせる。

 

 

駐車場から歩き出すと広い蕎麦畑が見えてくる。
秋の高原の澄んだ空気の中で… と書きたいところだが、この日はとにかく暑かった。
高原と言っても標高は336m。下界と変わらぬ暑さだった。

 

 

白く可憐な蕎麦の花。
花言葉は「なつかしい思い出」「喜びと悲しみ」「あなたを救う」など。

 

 

花は見頃前半といったところ。
9月下旬には刈り取り作業が始まり、この風景は消えてしまう。

 

 

刈り取りが終わると、お待ちかねの新そばのシーズンがやってくる。
ここ小千谷の蕎麦は、海草の「布海苔(ふのり)」をつなぎに使っていて、なめらかなのどごしが自慢。
出汁のきいたつゆにつけて、ズズッといただく。うーん、たまりません。

 

出汁といえば…
先日、ラジオで聞いた話が興味深かった。

和食の基軸は「出汁(だし)文化」。
そばつゆはもちろん、あらゆる和食料理のベースになっている。
日本がなぜそうなったかを、料理とは無縁の「マグマ学者」の方が、地球科学的に説明していた。

出汁といえばまず頭に浮かぶ昆布。
日本で昆布の出汁を上手く取ることができたのは、日本が「軟水」の国だったから。
もしこれが硬水だったら、昆布が膜を作ってしまって、旨味成分のグルタミン酸が上手く出せなかったという。

それではなぜ日本は軟水なのかというと、
日本は世界でいちばん地殻変動が激しく、地震とか火山活動によって高い山ができている。
山が高いため雨水が流れるスピードが早く、ミネラル分が溶けこむ時間が少ないため、軟水が多くなったらしい。
つまり、出汁の味を楽しむ和食は、火山とか地震の変動が育んだもので、
地球科学的な背景から生まれたものだった… という。

 

 

逆に、もし日本の水が硬水だったらどうなっていたか、という質問には、
イノシシとかの肉を使ったスープが基本になっていたかもしれない、と言っていた。

カルシウム分が多い硬水は、肉のスープをとるのに向いているという。
肉の獣臭さ(血の臭さ)の素になるタンパク質が、カルシウムと結合して灰汁ができる。
灰汁をきれいに取ると、臭みがない澄んだスープになるという。
軟水だと灰汁が十分にとれないので臭みが残ってしまうらしい。

日本が「軟水」の国でよかったなあ、と昆布出汁が大好きな私は思ったのだった。
地震はイヤですけどね…

 

おっと、話が逸れました。

 

 

平らな草原のアクセント、杉の三兄弟。

 

 

太陽がジリジリ照りつける道を進んでいくと、杉の木影に入った。
たったそれだけで別世界。す、涼しい…
ちょうど風の通り道になっていて、なんと気持ちの良いことか。

 


杉の枝が輝いて、ススキが風に揺れる。しばらくここにいたい…

 

 

この地域は豪雪地帯。杉の幹が雪の重みで象の鼻のように曲がっている。

 

 

蕎麦畑はまだ奥へ続いている。
でも暑いし、この辺りで戻ろうか。

 

 

花畑にはいろいろなチョウがひらひら。

 

 

景色を楽しませてもらって、次は美味しくいただけるなんて、
なんか、蕎麦っていいですね。