3000本の桜が咲き誇る公園。
ソメイヨシノの白に混じって、濃いピンク色の桜がたくさん咲いている。
それは平和を願って作られた桜。
日本さくら名所百選にも選ばれている五泉市の村松公園。
春になると、約3000本の桜が咲き誇る。
満開のソメイヨシノの中に、濃いピンク色をした桜を見ることができる。
それは、この「陽光桜」。(ヨウコウザクラ)
愛媛県の高岡正明さんという方が、25年かけて作り上げた桜。
第2次世界大戦中に学校教員だった高岡さんが、
送り出した教え子たちが戦場に散ったことを弔うために、
世界中どこでも咲くことができる強い桜を目指し、
25年の試行錯誤の末、ようやくできたのがこの陽光桜。
高岡さんは、完成した陽光桜を「平和のシンボル」として各地に贈り続けた。
美しいピンク色が目を引く、見ていると優しい気持ちになってくる桜。
ここ村松公園にたくさん植えられている。
ソメイヨシノの白と混じり合って、ほんわか優しい気持ちにさせてくれる。
この公園には、陽光桜だけではなく、とても珍しく希少な桜もある。
それがこれ…
穂咲彼岸八重桜(ホザキヒガンヤエザクラ)。
大正から昭和初期に、桜の研究家がこの公園で発見した(!)稀少な品種。
枝の先に数多くの白い花がつき、穂のような状態になることから
この舌を噛みそうなありがたい名前になった。
春だけでなく、初冬にも開花する珍しい桜。
他にもエドヒガン、オオヤマザクラ、ヤマザクラなど、
いろいろな品種の桜が植えられている。
陽光桜のある景色は、なんだか優しく見える。
戦争で散った人たちのために高岡さんが作ったピンクの桜は、
その優しい色で、今年もたくさんの人の心を癒したに違いない。