子供の頃の記憶そのままの姿で、ずっとそこにあるトンネル。
約100年前に造られた姿は、今でもここを通る度に、かっこいいなあと思う場所。
冬の弥彦公園。
いつもの道をいつものように静かな散歩。冬のちょっと寂しい風景に癒されながら。
ずっと昔からここにあるトンネル。
長さ55m、重厚なアーチの入り口がレトロ感を漂わせている。
大正7年にこの公園が造られた時のものなので、もう100年は経っている。 国の登録有形文化財。
当たり前だが、私の子供の頃の記憶そのまま。
中の壁面はレンガ貼り。照明もレトロなデザイン。
浅尾池側出口に配された岩石は、わざわざ富士山の溶岩を運んで来たというこだわりよう。
小さい頃、このトンネルはとても長く、大きく、暗く感じられて、
公園に遊びにきて、ここへ入っていく時には、いつも少し緊張したものだ。
それから約半世紀が経って、もう数え切れないくらい歩いているが、
今でも「さあ、トンネル通るぞ」という何か特別な感覚は変わらない。
実はこのトンネル、掘って造ったものではない。
写真でも分かるように、トンネルの上の山はとっても薄い。
山が低すぎて通常の工法では掘ることができず、
いったん山を切り開き、トンネルを造ってから、また土を盛って山の姿に戻した。
もし生活目的なら、山を削った時点で「はい、道ができました。終了〜」となるところ。
この公園に立派なトンネルを造るんだ、という当時の思いが伝わってくる。
それから100年。どれだけの人がここを歩いたのだろう。
トンネルの近くにある浅尾池のベンチ。今日は雪で重そう。
池ではカモが気持ちよさそうに。
静かな午後の公園。
望遠でのカット。 降っているように見えるのは、偶然、木から落ちてきた雪。
雪が降るトンネルもきっと素敵なんだろうなあ…
でも、年々、雪の日に出かけるのが億劫になってきている私。
100年間、風雪に耐えてきたこのトンネルには、まるで敵いませんね…