遠いシベリアから何千キロも旅をして、この地にやってくる白鳥。
春を待つオオハクチョウで賑わう池へ。
柏崎市の長嶺大池。
毎年11月頃から3月頃まで、最大で700羽を超える白鳥がここで冬を越す。
この冬は猛暑や残暑の影響なのか、やってくるのが例年よりも遅かったらしい。
この日の白鳥の飛来数は、約600羽。
ここにいるのは、ほとんどがオオハクチョウ。
コハクチョウより体がひとまわり大きく、コォーコォーと泣き声も大きい。
オオハクチョウとコハクチョウは、クチバシを見ると区別しやすい。
クチバシの半分以上が黄色で、黄色い部分が尖った形をしているのがオオハクチョウ。
コハクチョウは黄色い部分が狭く、尖っていない。
この日、池に到着したのは昼近かった。
普通、こんな時間なら、白鳥は餌を求めて近くの田んぼに行っているはずなのに、
この池にはたくさんの白鳥の姿が…
残っている理由は、ここにいても餌に困らないから。
この池では、白鳥に自由に餌をやることができる。
餌付けをすることは、白鳥が自分で餌を探す力を弱めることになったり、
メタボになってしまうリスクもあるらしく、餌やりを禁止している場所が多いが、
ここは餌やりOKなので、それを楽しみに訪れる人も多い。
地元の柏崎市では餌(白米、玄米、もち米など)の寄付を全国から募っていて、
長嶺白鳥愛護会の方々が、それを白鳥に与えている。
今回は家から白米(コシヒカリ!)を少しだけ持ってきた。
ここの白鳥は人に慣れていて、池に近づくとエサをもらえると思ってすぐ近くまで寄ってくる。
満腹のときは知らんぷりらしいが(笑)
そうこうしていると、米袋を持った男性がやってきて、豪快に玄米を撒き始めた。
白鳥愛護会の方だろうか。それとも一般の個人客だったのか。
撒き終わるのをじっと待つ白鳥たち。
水底にできたお米のオビ。
田んぼに出かけなくても、こんなふうに美味しい餌にありつける。
長い首を使って沈んだ米を器用に食べる。
食べる、食べる…
休日になると餌を持ってくる人が増えるので、居残り組が多くなるという。
ちゃっかりした白鳥たちである。
ふふん、カシコイだろう…
水底の餌を食べている姿はちょっとマヌケ。
3月になれば、また長い旅が待っている。
それまで新潟の美味しいお米をたんと召し上がれ。たまには田んぼにも出かけなさいよ。