古来から信仰の山として崇められてきた弥彦山。
山頂に建つ彌彦神社御神廟からは360度の大パノラマが楽しめる。前回の続きです。
弥彦山9合目の山頂公園から、てくてくと700m。
御神廟入り口にある社務所前に到着すると、一気に視界が開ける。
おお、気持ちがいい。連なる山々や越後平野を一望だ。
新潟平野のほぼ中央部の日本海に面した弥彦山は、
東京スカイツリーと同じ634m。
中部北陸自然歩道のコースにもなっており、多くの登山客が訪れる人気の山。
登って来た方を振り返ると、展望食堂とパノラマタワーが見える。
その奥の三角形の山は「多宝山」。
弥彦山との標高差はわずか数十センチで、峰続きで2kmしか離れていないので、
遠くから見ると双耳峰に見える。
北は角田山(482m)、南は国上山(313m)まで、
約15km続く弥彦山脈は、佐渡弥彦米山国定公園に指定されている。
稜線に並んでいた電波塔。
上に登っている作業員の方々は、東京スカイツリーより高い場所で仕事をしているわけですね。
御神廟入り口の鳥居をくぐって奥へ。近年は縁結びのスポットとしても人気。
見晴らしのいい山頂に鎮座する彌彦神社の奥宮・御神廟。
彌彦神社祭神「天香山命(あめのかごやまのみこと)」と、
姫神「熟穂屋姫命(うましほやひめのみこと)」が祀られている。
古くから愛されてきた信仰の地。
山頂からは日本海や越後平野を見渡せる。爽快な360度の大パノラマ。
流れている川は、以前「ブラタモリ」でも取り上げられた「大河津分水路」。
信濃川の途中から新しい水路を設け、洪水を日本海に流すために造られた人工の河川。
昔から、3年に1度と言われるほど頻繁に水害に見舞われていた越後平野。
その度にたくさんの家屋や田畑が泥の海となり、伝染病で命を落とす人も多かった。
それをなんとかしようと当時の土木技術を駆使して造られたのがこの水路。
明治から大正にかけて、延べ1000万人もの人々が従事し、長い年月を費やした工事は、
当時「東洋一の大工事」と言われるほどのプロジェクトだった。
越後平野が日本有数の米どころに発展できたのは、この水路のおかげ。
青のグラデーションの中に船が一隻。しばし静かな景色を楽しんだ。
山頂の景色を楽しんだ後、来た道を戻っていく。
またアジサイを楽しみながら。
夕方の静かな参道を。
久しぶりの弥彦山山頂。
澄んだ空気と雄大な景色に心が洗われた気がした。