県立植物園の池で出会ったトンボ。
岸辺の水草のまわりを気持ち良さそうに飛んでいた。
もともと昆虫大好き少年だった私は、レンズを向けるのだが。
気づかれないように、ゆっくりゆっくり近づいても、スッと逃げてしまう。
子供の頃の虫採り経験で、トンボはすごく目がいいのは知っている。
あらためてその能力を調べてみると。
トンボの目は複眼といって、ハチの巣のような六角形の目が1万個以上集まったもの。
上下左右前後を向いた目があるため、いつも全方位が見えている。
死角は後方のほんの一部。
(ふふん。このくらいはなんとなく知っていたぞ)
目の上部では常に太陽を捉え、同時に下部では餌を探し、
あの速さで飛びながら、40m先で動いた虫も見逃さないらしい。(!!)
想像以上のすごい目だ。
自分のまわりが全部見えるというのは、いったいどんな景色なのだろう。
でも、トンボの愛らしいところは、
一旦は逃げても、カメラを構えたままじーっと待っていると、同じ所へに戻ってきてくれること。
もし逃げられても、別のトンボがやって来て、また同じ所に止まってくれる。
トンボにも「ここ止まりやすい」というお気に入りの場所があるのだろう。
今回は会えなかったが、何年か前にここに来た時は、珍しいチョウトンボに会えた。
青緑色に輝く幅広の羽根を持ち、飛ぶときに時々チョウのようにヒラヒラさせる。
このトンボが見られる池はだんだん少なくなってきたようだが、
この池では自然の植生がちゃんと管理されているという証。
数年前にここで出会えたチョウトンボ。青緑色に輝く羽根がきれいだった。
夏から秋に変わっていく季節。
池の上をスッスッと移動するトンボの姿は涼しげで、気持ちのいい散歩だった。