小高い丘の上に建つ木造校舎。
平成21年に惜しまれながら閉校となった長岡市和島の島田小学校。
その古い校舎が新たな役割を持って現役で活躍している。
島田小学校は100年以上続いた歴史ある学校。
開校は明治37年。最初は男女の玄関は別々だったそうだ。
木造校舎と体育館が建てられたのが昭和2年というから、
地元の人々にとっては、自分も、お父さんも、おじいちゃんもこの中を走りまわっていたのだろう。
廃校になった校舎が当たり前のように取り壊されていく時代の中、
ここは「和島トゥー・ル・モンド」という新しい施設としてリノベーションされ、
今も同じ場所に建ち続けている。
リノベーションとは、
既存の建物を改修して、別の用途や機能の付加価値を持たせて再生する、というような意味。
基礎にも手を加えた大掛かりな改修工事だったらしい。
古い木造校舎の1階にはレストラン、向かいの校舎にはパン工房があり、
たくさんの人が訪れている。
木造校舎の2階は、教室をそのまま使ったギャラリースペース。
自由に見学ができる。
奥の教室は「島田小学校郷土資料館」として開放されている。
この校舎はいくつかの映画のロケ地にもなっていて、そのポスターや写真も飾られている。
4月に亡くなられた大林宣彦監督の「この空の花〜長岡花火物語」のロケもここで行われた。
校舎の位置が左右逆なので、版画として彫られた作品。それにしても大きい版木。
たくさんの子供達が走りまわった体育館。
105年の歴史の中で卒業生は7,147名。
みんなドキドキしながら卒業証書をもらったのでしょう。
私が小学一年生の頃に通っていた学校も、かなり古い木造校舎だった。
取り壊された跡地には道路が通り、家が建ち、今はもう何がどこにあったのかもわからない。
記憶の中にある校舎もぼんやりしている。
もし今も残っていたなら、きっとお気に入りの場所になっているはず。
自分たちの母校が今も残っているなんて、卒業生は幸せだなあと思う。
これからもずっと残してほしい場所だ。