足元に落ちていたオレンジ色の杉の枝。
見る人などいないのに、この美しいグラデーション。自然は不思議だ。
「アトレとど」の脇を通って、奥へ続く遊歩道へ。
名水の水汲み場に行く人は結構いるが、こちら側まで来る人はあまりいない。
奥の方にはキャンプ場があったはずだが、どうなっているだろう。なんだか人の気配が感じられないが…
ついさっきまで出ていた太陽が、あれ… 雲に隠れてしまった。あたりから輝きがなくなった。
この日の天気予報は、全県「晴れ」で行楽日和と言っていたのに、
「出かけた先だけ天気が悪い」… という散歩あるある。
ただでさえあまり人の来ない道。天気が良ければ気持ちいいが、陽が陰るとなんだか心細くなる。
ちょうど薄暗くなったタイミングで、この看板…
だが熊鈴はもう付けている。
聴こえるのは、枯葉を踏む音と熊鈴だけ。
きれいなグラデーションの葉っぱに立ち止まる。
芝生の広場に出てみると、
誰が並べたのか、椅子の上にトチの実がコロコロ。
(実が残っているから熊じゃないよな…)
セイタカアワダチソウのまわりには、小さな虫がたくさん集まっていた。
他に咲いている花が無いので、ここだけ賑やか。
キャンプ場に来てみたが、まったく人の気配が無かった。炊事場もひっそり。
管理棟にも誰もいないようだ。たまたま人がいなかったのか、閉めているのかわからないが、
人のいないキャンプ場って、とても寂しく見える。
散歩が終わる頃にやっと陽が差してきた! ススキも輝きを取り戻した。
陽の光ってすごい。あたりの雰囲気がパッと明るくなって、心細さも一瞬で消えてしまう。
「帰る頃に晴れてくる」… これも散歩あるある。
久しぶりの杜々の森。
廃材で作ったアートも清らかな名水も、そして静かな散歩も楽しめた。
帰り際、立っていた看板。
素敵な言葉にほっこりして帰路についた。