NIIGATAさんぽびと

カメラを持って出かけよう

アサザ

 

 

里山の小さな池に、珍しい花がたくさん咲いていた。
絶滅危惧種に指定されているアサザ。池を見ながら里山さんぽ。

 

 

9月中旬。残暑は厳しかったが、天気もいいのでふらりと出かけた雪国植物園。

いつものように下調べせずに出かけたのだが、
入り口のあたりで「アサザが見頃らしい…」とお客さんが話している声が聴こえた。
アサザ? 聞いたことあるぞ。行ってみよう」と池の方へ。

 

 

小さな池に到着すると、無数の黄色い花が咲いていた。
去年まではほとんど見られなかった花なのに、今年はなぜかこんな状態になったという。
よほどこの場所が気に入ったようだ。

 

 

水面に葉を浮かべ、水中の泥に根茎を伸ばして育つアサザ
昔から日本の水辺に自生している在来種で、「あざさ」という名前は万葉集にも登場している。
昔は全国の湖沼や池などで、どこでも見られたというが、
近年は環境変化によって激減し、環境省レッドリストでは準絶滅危惧種に指定されている。

 

 

ギザギザのフリルがついた黄色い花びら。
キュウリの花にそっくりだが、まったくの他人のそら似。一日花で、晴れた日の午前中に開き、午後には萎んでしまう。

 

 

名前の由来は、水深の浅い池や湖沼に咲くことから「浅く咲く」、
あるいは朝に開花する「朝咲き」が変化し、アサザと呼ばれるようになったなど諸説ある。

 

 

アサザ花言葉は、「平静」「信頼」「しとやかな」。
信頼という花言葉は、群生して次々と咲く花姿が由来とされている。
また、上品な咲き姿から、しとやかなという花言葉が付けられたらしい。

 

 

他にたくさん咲いていたのはオモダカ
特徴的な形の葉っぱに、かわいい白い花を咲かせていた。

 

 

隙間を選ぶようにポツポツ咲いていたコウホネ
今年は大繁殖したアサザにちょっと押され気味…

 

 

紫色がきれいなミズアオイ。この花があると、水辺が涼しそうに見える。

 

 

園内には小さな池がいくつかある。
歩きながら観察していくと、池によって植物の種類が微妙に違っていて面白い。
人為的に分けているわけではなく、自然に水草たちが棲み分けしているのだろう。
来年はまた違う勢力図になるかもしれない。

 

 

一番大きな池を埋め尽くしていたのは、ヒシ。
他の水草の姿はあまりなく、この池はヒシの天下。 小さな白い花が星のよう。

 

 

雪国の里山をそっくり利用し、自然の植生を大事に造りあげた植物園。
昔は当たり前に見られたアサザが蘇ったのも、ありのままの自然が守られている証なのだろう。