NIIGATAさんぽびと

カメラを持って出かけよう

白山神社の梅

 

 

白山神社の梅が見頃を迎えていた。
紅梅、白梅。桜のような華やかさはないものの、落ち着きのある咲き姿。

 

 

2月の末、新潟市中央区にある白山神社へ。
新潟の総鎮守といわれ参拝者が絶えない白山神社は、梅の名所としても知られている。

この時期に来るのは実は初めてだった。
桜に較べて梅はどうも地味な感じがして、今まであまり撮ろうと思わなかったが、
最近は梅もいいなあと思うようになった。歳のせいですかねえ…

 

 

園内には様々な品種が植えられている。

梅は中国から朝鮮半島を経由して日本に渡ってきたらしい。
奈良時代にはすでに栽培されていたようで、「万葉集」では100首を超える歌が詠まれている。

 

 

梅の花言葉のひとつが「忠実」。
これは学問の神様として有名な菅原道真の「飛梅(とびうめ)伝説」が由来らしい。

 

平安時代
権力争いに破れた菅原道真は、福岡県の大宰府に左遷されることになった。
京都を離れることになった道真は、庭の梅の木との別れを惜しみ、歌を詠んで去って行った。
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
梅の花よ、春風が吹いたら香りを大宰府にまで届けておくれ。
私がいないからといって、咲く春を忘れてはいけないよ)
梅の木は主人を慕って一夜のうちに大宰府にまで飛んで行ったという。
この「飛梅伝説」が、「忠実」という花言葉の由来とされている。

 

道真は梅と同じように桜や松の木も愛でていたそうだが、
桜の木は主人がいなくなった悲しみで枯れてしまった。
松の木は大宰府を目指すものの、途中で力尽きて兵庫県に根をおろし、
「飛松伝説」として語り継がれているという。

 

 

色によっても違う花言葉があるようで、紅梅は「優美」「艶やか」。

 


梅の花言葉は「気品」「上品」。ちょっと奥ゆかしい清楚な雰囲気。

 

 

梅といえば、
新潟には美味しい日本酒がたくさんあるが、
個人的に、名前に「梅」がつく酒にハズレなしの印象を持っている。
越乃寒梅・雪中梅・峰乃白梅、他にもいろいろ… どれも美味しそうに思える。
いや、ついてないのも美味しそうなのだが…(笑)

 

そろそろ梅園を後にして神社の方へ。

 

 

赤銅色の大きな狛犬は、瀬戸内から北前船でやってきた備前焼
現存する日本で一番大きい備前焼狛犬とも言われ、今では製作不可能ともいわれている。

 

 

同じく北前船尾道からやってきた石の鳥居。

新潟から重い米を積んで出発した「北前船」は、
各地で米を降ろすと、帰りは衣料などの軽い荷物が多かった。
積み荷の重さのバランスをとるために、瀬戸内で重い狛犬や鳥居を船底に積み込んで帰ってきた。
それが海の守り神でもある白山神社に寄進された。

 

 

池の奥に立っているのは「ラジオ塔」。
1930年代に全国各地に建てられた「ラジオが流れる石塔」で、
ラジオ放送は当初、受信契約を結んだ加入者しか聴けず、普及のために全国にたてられたもの。

 

 

手水舎には優しい色の花が。

 

 

涼しそうなガラスの風鈴がゆらゆら。

 

 

次は随神門をくぐって本殿へ。白山神社、後半へ続きます。