日本の滝百選の一つに選ばれている苗名滝。
すでに紅葉の見頃を過ぎ、少し静かになった滝へ久しぶりに行ってきた。
駐車場から滝の展望台までは約500m、徒歩15分ほど。
1つ目の吊橋から見る砂防えん堤。苗名滝から流れてきた水だ。
水は一級河川・関川となって流れていく。この川が県境になっていて、左は新潟県、右は長野県。
吊橋を渡って長野県へ。振り返れば懐かしい新潟の風景が(大げさ)
川沿いの遊歩道を歩いていく。
見頃を過ぎたのは承知していたが、まだ葉っぱは残っているだろう、と淡い期待を抱いてやってきた。
しかし山はほとんど落葉。残っている木も色褪せていた。残念…
2つ目の吊橋を渡り返して、また新潟県へ。滝はもう目の前。
日本の滝百選の一つに選ばれている苗名滝。
落差55m、水煙を上げて落ちるさまは迫力満点!
春は雪解け水でもっと水量が多いらしい。 ん? この滝の中心が県境になるのだろうか…
別名「地震滝」。
その昔、滝から落ちる水音があまりにも激しく、轟音が周囲の森に響きわたり、
まるで地震のようだったことから、そう呼ばれていた。
この滝は元々、昔の日本語で地震を意味する「なゐ」と呼ばれていた。
時間が経つにつれて「ない」から「なえ」に発音が転化して、現在の名前になったという。
柱が並んだように見える岩肌は、マグマが冷却されたときにできた柱状節理。巨大な玄武岩の塊だ。
長い年月をかけて、U字に削られた岩。すごいもんだ。
今は豪快な一本滝のイメージだが、
200年くらい前までは、水の落ち口に巨大な岩があり、滝は2つに分かれていたらしい。
昔、この一帯では木材の切り出しが盛んに行われ、丸太を下流に流して輸送していた。
長年にわたって丸太がその岩にぶつかっていくうちに、細かく砕けて現在の一本の滝になったという。
滝を後にして来た道を引き返す。
吊り橋には、荷物を背負った2台持ちのカメラマンさん。ご苦労様です。
遊歩道は山の陰で湿っていて、ぬかるみも多かった。
用心していたのだが、濡れた岩の上ですっころんでしまった!
とっさにカメラを庇い、腰も無事だったが、危ない危ない… やはりカメラは1台でいいです。
久しぶりの苗名滝。
紅葉の見頃を過ぎた平日ということもあって、思ったより人も少なく静かだった。
小腹がすいたので蕎麦でも食べようかと、入り口近くの食事処へ。驚くほど澄んだ池には、アユがうじゃうじゃ。
美味しい蕎麦を食べて店を出ると、葉をつけたモミジの木が一本だけ残っていた。
紅葉に囲まれた滝はさぞかし綺麗だっただろうな。