NHK大河ドラマ「天地人」の主人公、直江兼続の居城だった城跡へ。
昔に想いを馳せながら朝の澄んだ空気に包まれて。
梅雨入り前で暑い日が続いていた6月中旬。
たまたま早く目が覚めたので、涼しい時間に散歩しようと家を出た。
車で走り出したのはいいが、行き先を決めてない…
あまり遠くまで行くつもりはないし、頭に浮かんだのは「与板城跡」。
そういえば、しばらく行ってないなあ… と行き先決定!
長岡市与板にある「与板城跡」は、
2009年のNHK大河ドラマ「天地人」でその生涯が描かれた「直江兼続」の居城だった場所。
22歳で与板城主・直江家を継ぎ、
秀吉の命で上杉家が会津に国替えになるまで、この地を治めていた。
直江兼続は、上杉景勝の家臣筆頭として上杉家の舵取りをしていた人物。
兜に「愛」の前立てをつけた武将と言ったらご存知だろうか。
豊臣秀吉は、その有能さと器の大きさに惚れ込んで、
のちに大名の一家臣としては異例の米沢30万石を与えている。
また、徳川家康から上杉家にかけられた謀反の嫌疑に、
兼続が理をもって堂々と反論した「直江状」は有名。
結果として、これが家康に会津征伐を決断させ、関ヶ原へと歴史は繋がっていく。
大河ドラマ「天地人」では妻夫木聡さんが好演。
また、漫画「花の慶次」では、
主人公・前田慶次の親友で「義」に厚い武将として登場する。
大名の一家臣に過ぎない人物が、ここまでスポットライトを浴びた例は珍しい。
早朝の涼しい空気の中、登り口である八坂神社の石段からスタート。
整備された登山道は歩きやすいが、神社には貸し出し用の杖も。
登り口から本丸(実城)まで460m。ちなみに城の標高は104m。
道の脇にアジサイが涼しげに。
朝の陽射しが美しい竹林を抜けて。
途中、竪堀(たてぼり:等高線と直角に斜面に掘られた空堀)や
堀切(ほりきり:道を遮断するように掘られた空堀)、曲輪などの遺構が続く。
聴こえるのは鳥のさえずりだけ。朝の空気が気持ちいい。
さらに進んでいくと「おせん清水」の看板が。
「おせん」は、大河ドラマでは常盤貴子さんが演じていた直江兼続の正室「お船の方」のこと。
兼続より3つ年上の姉さん女房でとても賢い女性だったという。
この清水で水を汲んでお茶をたてたと伝わっている。
残念ながら谷間の低い場所にあり、今は近くへ行くことはできない。
当時、本丸へ続く門があったあたり。
本丸直下の広い曲輪を抜けて、
鳥居をくぐって高く切り立った城塁を上がっていくと、
本丸(実城)に到着!
というところで、後半へ続きます…